本日の「毎日の管長日記(円覚寺横田管長)」で,心に残ったお話.四無量心(しむりょうしん)とは,「四つのはかりしれない利他の心」ということらしい.四つの心とは,「慈,悲,喜,捨」のことで,「慈」は,生けるものに楽を与えること.「悲」は,苦しみを抜くこと.「喜」は,他者の楽をねたまないこと.「捨」は,好き嫌いによって差別しないこと.と,説明があった.「慈悲」というコトバは,なかなか奥深く,いろいろな説明を聞いたころがある.何となく「慈悲」と思っている言葉の意味は,実は,仏教の意味では,少し違っているのだと思ったことがある.今回,心に残ったのは,「喜捨」の「捨」である.
横田管長の説明では,お地蔵さまの心が「捨」だと語っていた.道端のお地蔵さまは,ただ黙って人々のことを見守ってくれている.良いとも悪いとも言わない.無関心であるのではなく,良い,悪いを区別しないで温かく見守る.「利他の心」というと,つい,「慈悲」の心を考えてしまうが,「捨」という心も大事なのだと感じた.そっとだまって,見守ってあげること.
大きくなった息子や娘にもこの心が必要なのだと思った.