写経を始めました.般若心経です.5,6年前にも写経をしていました.B4の罫線の付いた半紙の下にお手本の般若心経をおき,上から筆ペンでなぞります.二十数枚書いたでしょうか.初心者ながら,自分でひどい字だと思いました.なぞっているのに,字が汚い.雑念のせいにしていましたが,へこんでいました.基本的に習字の「とめ」や「はらい」がうまくないのだと思いました.もっと言えば,姿勢が悪い,基本がなっていないのだと思いました.しばらく,写経から頭が離れていました.しかし,最近,また,般若心経の写経を始めました.実は,初心者用なぞり原稿と筆ペンのセットがあり,大きさもA3で,書く漢字も大きく,字体も難しくありません.また,裏においた原稿を写すのではなく,にじまない和紙の上に薄くお経が書いてあります.ド初心者用だと思います.筆ペンもついてきます.ただ,それを書き始めて,面白くなってきました.
実は,昔の写経でも,「羯諦」とか「無罣礙」とか「得阿耨多羅三藐」とか,画数の多い,漢字は,集中するせいか,なんとか自分でも納得できる字になっていました.しかし,「無」や「蜜多」がうまく書けませんでした.「蜜」など字がごちゃごちゃになってしまいました.そこで,漢字の大きな今回の写経セットでは,こうした画数の少ない漢字にも集中し,書き順や払い,止めなどをじっくり意識して注意深く書いてみました.すると,少しづつ,下手なりに「無」の字や「蜜」の字が様になってくるのです.(うまいには程遠いのですが,なんとか,とりあえず,様になる程度ですが...)「多」はまだ難しいですが,少しづつですがみられるようになってきました.私の場合,難しい字が少しづつ矯正されてくるのがうれしい毎日です.ただ,安定した品質にならないのです.般若心経には,「無」がたくさん出てきますが,うまくかけた「無」と横線だけが太くなった「無」が共存したり,まだまだです.ただ,字を書くってうまく書ければ,すごくいい気持になることが一寸だけわかったような気がします.なんか,今頃分かったのが寂しいですね.
そもそも,写経は,心の統一,無にならないといけないのかもしれませんが,「上手く書けた」とか「上手く書けない」とか区別しているうちは,だめですね.浄土宗信徒なので,般若心経だけでなく,阿弥陀経の写経セットも買ってみました.見たこともない漢字ばかりで,小学生のような新しい挑戦の気分です.