2016年5月27日　オバマ大統領が広島で演説をしているのを見て，「バランス感覚のある頭の良い賢い人がアメリカをリードしているのだな！」と感じた印象がある．まさに，多様な視点でものを考え，相互の立場を考慮・斟酌する姿勢こそが世界の平和をもたらすのだと思っていた．しかし，最近は，そうでもないような気がする．極端な意見や主張の方が世界を引っ張っていけるのかもしれない．多くの戦争地域が，トランプ大統領の出現によって状況に変化が表れているように思える．独断的な主張やまったく融和的でない主張，力で押さえつけようとしているように思える戦術などにより，あいまいな状態が変化し始めるのかもしれない．言い方は悪いが，「みんな仲良くしようよ！」といっていろいろな仲裁に入ることよりも「お前は，負けなさい．弱いんだから」といって均衡を崩すやり方だ．「みんなで良い案を考えよう」と形の上だけでもそうした姿勢を示す民主主義よりも「独断的判断基準からこうするのだ」と主張する政策の方があいまいな状況における物事の変化をおこせるのかもしれない．誤解を恐れずに端的に今の状況を考えると，中国やロシアはもとより，アメリカまでもがこのようになってきているように思える．そして，EU内諸国も類似した流れを感じる．結局，民主主義体制より，中国やロシアの体制の方が国は栄えるのか？

この忌まわしい誤謬に気づく時が早く来てほしい．